リスティング広告とは?

リスティング広告は、WEB運用型広告の一種で、「検索連動型広告」ともよばれています。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードで検索した際、検索結果表示ページの上部に表示されるテキスト形式の広告を指します。上記の図で、①の部分にリスティング広告が表示され、②の部分にSEO対策されたWEBページが表示されます。
リスティング広告は主に「クリック課金型(CPC)」形式がとられます。これは、ユーザーが広告をクリックするごとに費用が発生する方式を指します。
次に、リスティング広告の特徴として、以下の3つの特徴が挙げられます。
特徴①ユーザーが検索したワードによって表示される広告が変わる
例えば、ユーザーが「布団 通販」と検索した場合、検索したユーザーは単純に布団の種類が知りたいわけでも、布団という言葉の意味を知りたいわけでもなく、『布団を購入したい』という意図を持っていることが予想できます。そこで、広告主は「布団 通販」というキーワードで検索された時のみ、自社の布団に関するリスティング広告を配信することが可能です。
特徴②広告出稿主は広告1クリックに対して料金を支払う
リスティング広告では、主にクリック課金型(CPC)が採用されています。これはユーザーが実際に広告をクリックし、サイトに流入したときにのみ費用が発生する仕組みです。クリック課金型の広告は別名PPC(Pay Per Click)広告と呼ばれ、ユーザーの誘導量が広告費に対応するため、費用対効果を把握しやすいことが特徴です。
また、その他の課金方法としてインプレッション課金があります。これは検索結果表示ページで広告が1000回表示されるごとに費用が発生する仕組みです。こちらはCPCほど一般的ではありませんが、広告自体の表示回数を増やすことを目的としている際におすすめです。
特徴③1クリックの価格はオークション形式で決定される
上記のCPCは競合他社とのオークションで決定します。以下に、オークションの流れを簡単にまとめました。
- 広告を出稿したいキーワードを選ぶ。
- 1クリックにかけられる上限費用を設定する。
- 同じキーワードで出稿した競合他社とのオークションが行われ、掲載の有無や掲載順位が決定する。
- 掲載順位は広告ランクという指標で決定し、広告の質や1クリック当たりの費用などが考慮される。
リスティング広告が出稿できる広告媒体
リスティング広告が出稿できる広告媒体は多岐にわたります。ここでは、代表的なリスティング広告媒体3選をご紹介します。
1. Google広告

引用:Google広告
日本では、検索エンジン市場の約8割をGoogleが占めています。Googleリスティング広告は多くの人にリーチできる可能性が高い点がメリットです。しかし、シェア率が高いということはその分競合も多いということですので、CPCが高騰したり、十分な検索順位を獲得できない可能性があります。
2.Yahoo!広告

出典:Yahoo!広告
2025年11月現在、日本でのシェア3位の検索エンジンです。特に40代以上の層に支持されており、そのようなユーザーをメインターゲットとしたい場合はおすすめです。
3.Bing広告
2025年11月現在、日本でのシェア2位の検索エンジンです。Bing広告の特徴としては、デスクトップのユーザー層が多いという点にあります。特にビジネスユーザーに広く支持されているため、BtoB広告におすすめです。
引用:Search Engine Market Share Worldwide | Statcounter Global Stats
リスティング広告と他の運用型広告の違い
先ほども申し上げた通り、リスティング広告はWEB運用型広告の一種です。本章では、リスティング広告と他の運用型広告の違いや比較した際の強みを解説します。
そもそも運用型広告とは
そもそも運用型広告とは、WEB上でユーザーの行動や属性に併せて広告を表示し、その効果をリアルタイムに計測しながら最適化できる広告形式を指します。代表例としてリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告があります。
例えばテレビ広告は、テレビを視聴している人全員に同じ広告が配信されます。一方、運用型広告は「30代男性で、腕時計の購入を検討しているユーザー」という様に、広告の配信対象を絞り込んで配信することが可能です。これにより、なるべく費用を抑えつつも広告の効果を最大化することに繋がります。
ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、WEBサイト上に画像や動画形式で表示される広告形式を指します。WEBサイト上のバナー広告や、Youtubeなどの動画サイトの動画広告などが該当します。
ディスプレイ広告で近年特に最近注目されているのが「リマーケティング広告(リターケティング広告)」です。リマーケティング広告とは、一度自社のWEBサイトを訪れたユーザーに対して、他のWEBサイトやアプリ上で再び広告を表示する広告手法です。自社や商品に関心のあるユーザーに広告を表示することができるため、高いCVRを期待できます。
リスティング広告とディスプレイ広告の違い
- ディスプレイ広告:潜在層へのアプローチに適している。
- リスティング広告:顕在層へのアプローチに適している。
ディスプレイ広告は、ユーザーが「検索」などの具体的なアクションをしていなくても広告が表示される仕組みです。まだ自社商品に興味を持っていないユーザーや、具体的なニーズを持っていない潜在層へのアプローチに適しています。
リスティング広告では、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に広告が表示される形式です。つまり、すでに明確な課題やニーズを抱えているユーザーに対して広告を配信することができるため、顕在層への訴求に強みがあります。
SNS広告

引用:https://business.x.com/ja/advertising/formats#amplify-twitter
XやInstagramなどのSNSに掲載される広告を指します。テキスト・画像・動画など様々な形式があり、またタイムラインやフィードなど掲載場所も多岐にわたるのが特徴です。また一口にSNS広告と言っても、例えばInstagramは20-30代女性の使用率が高いなど、媒体ごとに様々なユーザーの特徴があります。
リスティング広告とSNS広告の違い
- SNS広告:潜在層へのアプローチに適している。意図しない場所に掲載される可能性。
- リスティング広告:顕在層へのアプローチに適している。広告の出稿を管理しやすい。
SNS広告も、ディスプレイ広告と同様に、まだ課題やニーズが明確化していない潜在層顕在層へのアプローチに適しています。また年齢や性別、SNS上でのいいねやフォローといった行動履歴に基づいたターゲティングをすることも可能です。
一方、SNS広告は意図しない場所に掲載されたり、意図しない形で拡散されてしまったりするリスクが高いというデメリットもあります。リスティング広告の掲載場所は検索結果表示ページであるため、広告の出稿を管理しやすいというメリットがあります。
リスティング広告とSEOの違い・使い分け
WEB集客をする際に、リスティング広告とよく比較されるのが「SEO」です。SEOとリスティング広告、どちらも同じ検索エンジンを活用した施策ですので、どちらが最適かお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで二つの違いや使い分けを解説します。
SEOとは

SEO(検索エンジン最適化)とは、自社のWEBページを検索エンジンの検索結果表示ページで、上位表示させるための施策を指します。検索結果表示ページでは、まず一番上部の①の枠にリスティング広告枠があり、その下の②の枠にSEO記事が表示されます。
SEOは、基本的に無料で行うことができます。リスティング広告と異なり、WEBページの掲載順位は検索エンジンのアルゴリズムによって決定されます。そこで順位を上げるための施策としては、基本的に新規記事の作成→効果検証→既存記事のリライトというサイクルを繰り返していきます。
リスティング広告とSEOの違い
リスティング広告とSEOの違いは、主に以下の五点があります。
リスティング広告 | SEO | |
費用面 | CPC(クリック単価制) | 基本的に無料 |
CTR(クリック率) | 低め | 高め |
効果が出るまでの期間 | 短期的 | 中長期的 |
ターゲット層の違い | 顕在層 | 潜在層~顕在層 |
順位を上げるための施策 | 広告ランクで順位が決定 | 検索エンジンのアルゴリズムに基づいて順位が決定 |
リスティング広告とSEOの使いわけ
リスティング広告とSEOどちらが最適化をお悩みの方のために、リスティング広告・SEOそれぞれが適しているケースをご紹介します。
リスティング広告が向いている場合
- 短期的に集客をしたい場合
- ターゲット層が明確な場合
- 予算に余裕がある場合
SEOが向いている場合
- 長期的に安定した集客を目指したい場合
- 幅広いターゲット層にアプローチしたい場合
- 費用を抑えたい場合
もちろんリスティング広告とSEOどちらも併用する運用も考えられます。例えばSEOで中長期的な集客を行い、期間限定キャンペーンを打ち出す際はリスティング広告を出稿し短期的な集客を行うなどです。
リスティング広告の4つのメリット
それでは次に、リスティング広告のメリットを紹介していきます。
メリット①:すぐに始めることができる
メディア広告(テレビ、新聞、雑誌など)は広告を出稿しようと思っても、すぐに始めることはできません。最低でも1週間、テレビCM等の場合は2ヶ月ほどの期間が必要といえます。
リスティング広告にも一定期間の審査期間が必要です。しかし、一度審査を通しておけば、あとはいつでも自分の意思で出稿・停止が可能です。ちなみに、公式発表での審査期間は以下の通りになっています。基本的に公表している期間より長くなることは少なく、逆に早くなることが多いです。
広告審査期間
- Google広告:ほとんどの広告の審査は1営業日以内
- Yahoo広告:約3営業日程度
参考:Google広告 ヘルプ
このため、メディア広告と比べ、急なプロモーション告知などにも対応可能だといえます。
メリット②:高い確度のターゲティング広告を出せる
例えば「母の日 プレゼント」と検索しているユーザーは『母の日のプレゼントって何にしよう?』プレゼントを探している段階にあると予想することができます。そうした検討段階のユーザーに「母の日 プレゼント」という検索ワードで広告を配信し、自社サイトにユーザーを誘導できれば、商品購入に繋がりやすいのではないでしょうか。
しっかりと自社商品のターゲットを理解できていれば、チラシを配布したり、テレビCMを打つよりも、リスティング広告は比較的確実に費用対効果の高い広告施策となり得ます。
メリット③:運用により費用対効果高められる
WEB上で行うリスティング広告は、GA4などの解析ツールと連携することによって、広告ページの解析・改善が可能になります。そのデータに基づき、ユーザーが商品購入に至る確率(CVR:コンバージョンレート)などを把握し、広告効果を高めることが可能です。
広告効果の高いキーワードは、キーワードの入札金額を増やして広告表示順位を上げ表示回数を増やしたり、類似キーワードを探し機械損失を防いだりと、1つの広告における費用対効果を最大化するための運用を行うことができます。
逆に、CVRの低いキーワードがあれば、そのキーワード自体を広告対象から除外し、無駄な広告費を削減することもできます。
メリット④:予算に合わせて掲載できる
リスティング広告はクリック課金の従量課金制であるため、1日単位・月単位の予算額を決めて広告を出稿することが可能です。例えば、月の広告予算を30万円と設定すると、その予算内で効果を最大化するような運用が始まり、予定よりも早く消化してしまった場合は広告が掲載されなくなります。もちろん、広告掲載をやめようと思った時に、すぐ広告を停止することもできます。また、イベント時のみやキャンペーン期間のみといったような、期限を細かく切った広告掲載も可能です。
メリット⑤:AIを活用した広告運用ができる
リスティング広告は、AIを活用することで、効果的かつ効率的な広告運用をすることが可能です。
2025年5月、Google広告では新しい検索キャンペーン向けAI MAX広告(AI最大化設定)が発表されました。精度が向上した検索語句マッチング、広告見出しと説明文テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張などがAIにより自動調整されます。これにより、よりユーザーとLPの関連性を高めることが可能になります。
このように、リスティング広告はAIによる最適化を簡単に活用することができます。
Google広告において、他のAIを活用したキャンペーンはこちらをご覧ください。
参考:検索キャンペーン向け AI 最大化設定(ベータ版)について - Google 広告 ヘルプ
リスティング広告のデメリット
次にリスティング広告のデメリットを紹介します。
デメリット①:リスティング広告運用で成果を出すにはある程度知識が必要
リスティング広告を運用する場合は、やはりある程度知識を付けなければ、スムーズに成果を出すことは難しいです。
運用によって費用対効果を最大にできるということは、逆を言えば、適切な運用をしなければ広告の効果は薄れてしまうということです。そのため、運用に不慣れなうちはプロフェッショナルに任せてしまうことをオススメします。広告運用をプロに依頼する場合、運用手数料の相場は1か月20-25%前後です。具体的には、月に100万円以上の場合が多いです。
free web hopeの広告運用支援実績はこちらから!
デメリット②:消費者ニーズや季節要因によって効果が変わる
CPCがオークション形式で決定されるため、消費者ニーズや季節要因によって広告費用が高騰する可能性があります。「前月までは30万円を使って6,000人をWEBサイトに誘導していたのに、今月は気が付いたら同じ30万円でも半分の3,000人しかWEBサイトに誘導できなかった…」ということもあるかもしれません。
例として、季節要因が関係ないキーワード「誕生日 プレゼント」と季節要因がある「クリスマス プレゼント」の2つのキーワードを入札したとします。もし入札・広告配信期間がクリスマスが終わった1月だったとしたら、「誕生日 プレゼント」は季節性がないのでクリック単価の変化は少ないと想定されます。一方「クリスマス プレゼント」のワードは競合性が低くなることが予想されます。逆に12月24日付近には競争率は最大になり、クリック単価が高騰してしまうことが考えられます。
もちろん商戦時期に色々なコストがかかってしまうのはどのマーケティング手段でも同じですが、リスティング広告では普段の費用対効果が高い分、商戦時期には消費者ニーズや季節要因がより強く反映される傾向があります。普段から季節要因の把握やトレンド動向には気を配っておくことが成功の秘訣といえます。

※「クリスマスプレゼント」と「誕生日プレゼント」をGoogle Trendsで比較した画像です。
リスティング広告の費用相場
自社でリスティング広告を運用する場合、CPCは数十円~数百円が相場です。
またプロに広告運用を依頼する場合、運用手数料は1か月20~25%が相場です。よって、1か月のトータルで100万円以上が目安になります。
【成功事例】全国約260店舗展開の保険相談申込件数が約2.5倍に!

それでは、実際に弊社が携わったリスティング広告運用支援実績をご紹介します。株式会社アイリックコーポレーションは、来店型保険ショップ「保険クリニック」を全国約260店舗で展開しています。今回、株式会社アイリックコーポレーションの早稲田様、藤田様とともに、free web hopeの林、古瀬、榊原が半年間の取り組みを振り返りました。
抱えていた課題
- 店舗数や規模の拡大に伴い、獲得数を増やしたい
- 高騰しているCPAの改善
free web hopeのソリューション
- 広告運用戦略の策定
- 広告運用実行支援
- LPリニューアル
- Google Analytics分析
得られた成果
- 保険相談申込件数が約2.5倍
- 運用型広告のCPAが約70%改善
free web hopeの支援はどうでしたか?
藤田様:他社はリスティング広告における広告文のタイトルや説明文など、クリエイティブの修正提案に留まるものが多かったのですが、free web hopeは「広告運用で流入したユーザーの受け皿をどのように最適化するか」を提案してくださいました。
成果を感じられる部分はございますか?
早稲田様:保険相談申込件数が約2.5倍、運用広告のCPAが約70%改善しました。運用型広告全般も含めて、無駄を省いていいところに寄せていくのがベストだったのかもしれません。あとはやっぱり、機械学習に頼りすぎないところがいいところなのかもしれません。
続きはこちらから
まとめ│費用対効果が高い!リスティング広告を始めてみよう
以上、リスティング広告がどのようなものかご理解いただけたでしょうか?運用型広告に馴染みがない方にとっては、「WEB」というだけで難しく見えてしまっているかもしれません。しかし、リスティング広告を始める事自体は全く難しくない上に、これまでのメディア広告にはなかったメリットがあります。
運用自体は簡単である一方、リスティング広告で成果を出すことは比較的難しいです。運用を成功させるためにはある程度の知識と全体を見通す戦略が必要になります。リスティング広告は今後も更に市場の拡大が見込める分野であるため、自社のアプローチを有利に進めるためにも、ある程度知識を付けたうえで早めに取り組んでいくことをオススメします。
監修者:古瀬純功
free web hopeの広告運用コンサルタントとして、広告運用支援やweb解析、ダッシュボード作成を担当:Xアカウント
株式会社free web hope はCX(顧客体験)とデータサイエンスを広告戦略に組み込み事業成長を支援する広告代理店です。
長年の経験で積み上げた独自のフレームワークで、データサイエンスに基づく予測分析と市場調査を行い、「顕在層」だけでなく「準顕在層」にまで視野を広げ戦略的運用を提供しています。
広告運用でお悩みでしたらまずはfree web hopeに!公式HPからお悩みをお聞かせください。
また、以下からfree web hopeの広告運用支援実績をご覧いただけます。
監修者:古瀬純功
free web hopeの広告運用コンサルタントとして、広告運用支援やweb解析、ダッシュボード作成を担当:Xアカウント
【FAQ】リスティング広告についてよくある質問
最後に、リスティング広告についてよくある質問をまとめました。
【Q1】予算が少ない(月5万円以下)場合でも、リスティング広告を出稿することは可能ですか?
可能ですが、効果を出すためにはいくつかの工夫が必要です。例えば競合性の低いロングテールキーワード(キーワードのボリュームが500以下のキーワード)や、ターゲティングの絞り込みなどが有効です。
【Q2】リスティング広告のキーワードはどのように選ぶべきですか?
リスティング広告を出稿するキーワードは、まず軸となるメインキーワードを決定し、その関連キーワードを洗い出しましょう。次に、各キーワードのボリュームやCPCを評価し、費用対効果の高いキーワードで出稿しましょう。
関連キーワードの洗い出しとして、キーワード選定ツールを活用してみましょう。例えばGoogleでは、Google広告キーワードプランナーという無料ツールを提供しています。Google広告アカウントを作成すると、すぐに利用可能になります。


